先日、ある工場のお客様からあった相談について話します。
アクリル系の塗料を鉄部に塗る作業をされている方からの電話で
「白系の色を塗装すると他の茶色や黒系より乾きが遅いのはなぜ?」
との事でした。
同じ塗料なのに色が違うだけで乾燥に差が出るものなのか?
一応、メーカーにも問い合わせてみましたが、「顔料が違うだけで
樹脂や溶剤は同じなので大きな乾燥の差は出ません」との事。
翌日、本人にはその旨を説明しましたが、どうも納得いかない様子。
作業状況など色々と聞き取りしていたら先方の口から気になるワードが…!!!
「白系は他の色よりタレやすいし…」
これも先程の乾燥の話と同じで、同じ塗料の色違いで膜厚の差は出ません。
工程としては脱脂のあと、鉄(黒鉄)に透明のプライマーを吹き付けてから
カラーベースを塗布されています。素地の鉄色を隠蔽するため無意識に
塗りすぎているのでは?との結論に達しました。
膜厚が付きすぎているので当然、乾燥も遅くなってしまいます。
対処法として現状使用している透明のプライマーの代わりに
白もしくはグレー系のプラサフを吹き付けてから、その上に
カラーベースを塗布する工程を提案させてもらいました。
先方も「白系はこの仕様を試してみます」と快諾いただきました。
昨日、白のプラサフを納品し材料の説明をしてきました。
今回はこれで収まると思いますが、続編が有るようなら、また投稿します。