この7月から、京都市立のある小学校で校舎棟の改修工事が行われております。
京都市立であれば公共工事の扱いとなり、通常であれば使用する塗料は公共建築工事標準仕様書に則ったJIS規格品やJASS規格品になります。
(一部該当しないものもあります)
しかし今回の現場は臭気の問題や児童への影響などもあり、校長の判断で大幅に弱溶剤塗料から水性塗料への変更が行われました。
昨今建築塗装でもオール水性の塗装仕様が出始めておりますが、公共工事での大幅な変更は私にとっても初めてのことです。
特に鉄部用の塗料と木部用の塗料がメインで変更になりましたので、参考までに以下の通り紹介します。
屋内鉄部 : SOP塗り パワーホルスF4(関西ペイント製品)
→ IP水性メタルコート(インターナショナルペイント製品) に変更
屋外鉄部 : SOP塗り パワーホルスF4(関西ペイント製品)
→ IP水性メタルコートSi(インターナショナルペイント製品) に変更
屋内・屋外鉄部 : さび止め塗料塗り ラスゴンセーフティ(K)(関西ペイント製品)
→ IP水性メタルコートサビ止め(インターナショナルペイント製品) に変更
屋内木部 : CL(クリヤーラッカー)塗り ウッドシーラー金剛~ラッカー型クリヤー金剛(大谷塗料製品)
→ 水性UC(ウレタンクリヤー)塗り 水性VATONサンディングシーラー~水性VATONトップクリヤー(大谷塗料製品) に変更
屋外コンクリート面 : 撥水材塗り アクアシール200S(大同塗料製品)
→ アクアシール50E(大同塗料製品) に変更
屋外木部 : WP塗り キシラデコール(大阪ガスケミカル製品)
→ キシラデコールアクオステージ(大阪ガスケミカル製品) に変更
屋内木部 : 木部用下塗り ホルス下塗白(F4)(関西ペイント製品)
→ アクアグランドコート(関西ペイント製品) に変更
このようにほぼ同じメーカーの商品で代用できたのですが、SOP塗り・さび止め塗料塗りは普段使用していただいている頻度が高いこともあって、
お客様とも相談の上IP水性メタルコートシリーズに変更しました。
※関西ペイントの水性鉄部用塗料では「アレス水性ネクスト」、水性さび止めでは「アクアマックスEX2」という商品があります。
どうしても溶剤形の塗料を使用しないといけない部分は、小学校の夏休み期間中に作業を終えてもらっています。
(屋外鉄部DP塗りや不燃処理木材の薬剤溶脱軽減塗装など)
今回水性塗料へ変更するにあたって、性能が同等であることや塗装仕様として問題のないことなどお客様や元請様に資料やカタログを用いて
説明する必要がありました。その部分で労力を使いましたが、無事上記の通り塗料も塗装仕様も決まり作業を進めていただいております。
今後同じような案件が出てきた場合、参考にできるように、また新しい水性塗料についても勉強しながら日々の業務に努めたいと思います。
現在溶剤塗料は弱溶剤(塗料用シンナーでの希釈)がメインですが、それでも作業中や作業直後の溶剤臭は残ります。
そうなると今後水性塗料での対応が求められる案件が増えてくることも考えられます。
その際はぜひ福住商店までご相談、お問い合わせください。