先日お客様より「金属に床にノンスリップの塗装はできるか?」という問合せをいただきました。
※ノンスリップ:砂状の骨材を塗料に散布・混合することで滑りにくい面に仕上げること
コンクリート床などに使用する塗床塗料でプライマー(下塗り)を変えれば使えるかと考えましたが、塗料メーカーさんに確認すると塗膜が割れる可能性があるため不可という回答でした。
では機械式駐車場のパレット部分に塗装できる鉄部用の塗料に硅砂を散布してノンスリップの使用にできるかと考えましたが、そちらも膜厚が薄く珪砂が取れてしまうため不可でした。
どうしたものかと考えていましたら、以前にカタログと見本をいただいた関西パテ化工の「すべり止めコート」を思い出し調べてみました。
こちらの商品の特長は
・水、油、粉塵などのスリップの原因に対して優れた滑り止め効果を発揮
・下地の素材(金属、コンクリート、アスファルトなど)に対して良好な密着性
・溶融亜鉛めっきを除き1回塗りの簡単施工
・耐水性、耐薬品性、耐摩耗性に優れ、屋内、屋外問わず使用可能
主成分はエポキシ樹脂(密着性と耐薬品性)、シリカとセラミックの充填材(耐久性)で構成されています。
さらにUL-94 V-0相当の極難燃性(自己消化性)を有しています。
主な用途は
・屋内、屋外の階段や通路、リフト走行路、トラックヤード
・タンク天板や昇降階段、防液堤
・立体駐車場の昇降階段や車両通行スロープ
・特殊作業車、船舶、飛行場、トラックスケール、マンホール蓋など滑る危険のある個所
施工方法は
①下地処理(埃・砂・泥・水分・サビ・油分・劣化塗膜などを除去、凹凸やクラックを補修)
②養生(塗装面の形状に合わせマスキングテープ貼り・周囲の養生)
③すべり止めコート攪拌(主剤・硬化剤を混合し電動ミキサーで攪拌)
④すべり止めコート塗布(攪拌した材料を塗布面に流し入れゴムベラ等で1~2mm厚程度に塗り広げる)
⑤パターン付け(塗り広げてすぐに専用ローラーで凹凸を付け仕上げる)
⑥仕上り 硬化養生の目安 歩行面:約24時間(25℃)、車両通行面:約72時間(25℃)
※2液混合後の使用時間は60分以内(25℃)
※塗布可能面積(5Kgセット):2~2.5㎡
※上記は温度・湿度・気候・施工箇所により大きく変わる恐れがあります。
この内容であれば、今回の問合せに対応できそうです。
早速ご提案し、見積りを提出しました。
昨今、施設内や工場・作業現場内での安全衛生管理について、以前よりもさらに重要視される傾向にあります。
施工性や耐久性の面からも、今回の塗料はそのようなニーズに対応できるものと考えております。
塗料の種類としては特殊な部類に入りますが、今後もニーズに対して適切に対応できるよう取り組みたいと思います。