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「耐火テクト施工技術研修会」に参加してきました①

今回お客様に同行という形で、関西ペイントの次世代耐火被覆材「耐火テクト」の施工技術研修会に参加して

きました。

1日の研修でしたが、午前中が座学、午後から機械の説明と実技(実際に塗装する)、最後にテストといった

内容でした。

重要な点がたくさんありますので、座学の部分と実技の部分の2回に分けて説明します。

 

まずは1回目として座学の説明です。

 

まず「耐火テクト」がどのような商品かを説明します。

一般的な建築物に使用される鉄骨には、建築基準法に基づき耐火性能を持たせる必要があります。

鉄骨における耐火性能とは、火災により鉄骨に熱が加わり、強度が失われ建築物が損壊するのを防ぐ

性能のことです。

(鉄は、火災が発生して550℃程度になると急激に強度が落ちます)

一般的に耐火性能を持った材料は、吹付ロックウールや巻き付けロックウール、けい酸カルシウム板

による被覆そして耐火塗料などがあります。

この中で「耐火テクト」は耐火塗料の分類になります。

 

そのメリットについて説明していきます。

今までの1液耐火塗料の場合、デメリットとして乾燥が遅く施工に2週間程度かかる、屋外耐久性(耐水性)が

低いなどという問題がありました。

これに対して「耐火テクト」は、2液反応硬化型の材料のため標準施工期間が約5日と圧倒的に短く、

耐水性においても屋外の雨掛かりで使用可能な材料となっております。

また、これは耐火塗料全般に言えることですが、ロックウールやけい酸カルシウム板被覆に比べて薄い塗膜で

仕上げられるため、室内空間を広くとることができます。

こういったメリットから、今後使用が拡大していくものと思われます。

それに対応するため、今回研修会に参加してきました。

 

 

この「耐火テクト」は通常の塗料とは違い、使用するにあたり以下の制約があります。

・施工は責任施工である(どの塗装業者でも施工できる訳ではない)

・施工できるのは日塗装・耐火塗料塗装施工技術会会員又は関西ペイント耐火テクト管理部が認めた

 工事会社であること

・耐火テクト施工技術研修 有資格会員による責任施工である

・我々塗料販売店もこの研修を受講しないと「耐火テクト」の販売ができない

 など

といった内容です。

 

「耐火テクト」を取り扱うにあたり重要な知識として、以下の項目があります。

・耐火塗料を含む耐火被覆は国土交通省による認定品である

・耐火被覆には建物の梁・柱ごとに1時間、2時間、3時間の範囲で耐火性能の認定がある

・耐火被覆は要求される耐火時間によって膜厚が異なる

・耐火テクトは同じ1時間耐火であっても鋼材やサイズによって膜厚が異なる

・耐火テクトを施工する鋼材は、事前に適正な下地処理~防錆処理が必要である

・耐火テクトは2液反応硬化型耐火被覆のため、容積比で4:1、重量比で5.5:1の配合となる

(現場で配合する際は、重量比5.5:1で計算する)

・適正な乾燥膜厚が確保されていることと使用量がきちんと管理されていること

(電磁式膜厚計による膜厚検査と適正数量が使用されているかの空缶検収)

 

その中でも最も重要になるのが、

「適切な下地処理」「適切な塗料の配合」「適正な膜厚管理」の3点になります。

・適切な下地処理とは、

 鋼材に対して1種ケレン(ブラスト処理)+ジンクリッチプライマー+弱溶剤変性エポキシ樹脂塗料で

 処理がされていること

 ※一般的に下地処理は鉄骨ファブ(工場)で前工程として行われる

 

・適切な塗料の配合とは、

 上の項でも書いたように、重量比5.5:1で正確に配合されていること

 (ベース18Kg(1缶):硬化剤3.25Kg(1/4缶)で配合)

 ※耐火テクトの使用量は、積算時で必要膜厚1.0mmあたり2.0Kg/㎡が基本となる

 (1.0mmの膜厚で10㎡施工すると材料は20Kg必要になる)

 

・適正な膜厚管理とは、

 適正な乾燥膜厚が確保されていること

 (膜厚測定において、全測定値の平均値が要求膜厚に対して100%以上

  +各測定箇所の各測点値が要求膜厚の80%以上であること)

 ※測定には電磁膜厚計を使用(5000μm程度まで計測できるもの) 

 ※8㎡に対して1箇所以上測定箇所を設定する

 ※1箇所は5点測定する

 

以上が大まかな内容なのですが、文字で書くと非常に難しく感じますね。

それだけ取り扱いがシビアな商品であり、お客様(塗装店様)も我々販売店も責任をもって取り扱う必要があります。

 

次回は、2回目として実技(実際の塗装)の部分、材料の配合や専用塗装機についてなど説明をしたいと思います。

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